GREECE 12

アクロポリスに滞在して2日目の事…

この日の私は時差ボケと暑さで疲れていました。
アクロポリス博物館でライオンのメッセージを受け取ったところで、少しビシッときたものの、まだ頭がボーっとしていました。

(お腹が空いたなぁ。。。)

私はランチが出来る静かな店を探しました。
交差点の角に、席にゆとりのある屋内のレストランを見つけて、入ってみました。
室内の装飾が懐かしく、よく見たらインドレストランでした。

「わざわざギリシャでインド料理、、、それもありかぁ(笑)」
と、適応力バッチリでカレーをオーダーしました✌️
食事を終えて、再びボーっとして、うつろうつろして植物化していたところで、今朝のセレクトショップの女性のおススメスポットを思い出しました。
その中に、近代オリンピックの発祥の地、パナティナイコ・スタジアムがありました。オリンピックの聖火がスタートする場所です。

「特に、あんまり興味ないかなぁ〜」と、暑さと疲れで反抗期になりながらも、とりあえずGoogleで位置情報を確認すると、徒歩17分との事でした。

(なぬっ…)

振り返ると、私は学生時代は新体操のオリンピック強化選手で、どれだけ日々の意識をオリンピックに向けていた事か…
そして、昨年の東京オリンピックの際には、友人の皆さまのお心寄せをいただき、「日本ト世界 ありがとうメッセージ」動画を制作させて頂きました。

「だったら、やっぱりこの目で観てみようかな、スタジアムに感謝をお伝えしようかな、、、、」と、だんだんその氣になって来ました♪

そして、
「ええぃ、タクシーじゃ〜!
体験こそが大切なのだぁーーー」(←誰かが入ったw)
と、心はキランと、スタジアム向きになって来ました♪

レストランの男性に、何処からタクシーを拾うのがベストか伺い、私は店を出ました。
外に出ると、


(あぁ、あっつ〜)


そう思いながらも、私は道をぐんぐん進み、前方30メートルに停車している黄色いタクシーを発見しました♪

そして、

「ヤーサシュ♪(こんにちは)
私をパナティナイコ・スタジアムまで乗せてくれる?」と、交渉しました。
すると、
「スタジアムは直ぐそこだよ、真っ直ぐ歩いて10分だよ!」と、親切そうに教えてくれました。

(もしかして、休憩中かもしれないし、近距離は乗せたくないのかも知れないし、地元の彼にとってはきっと直ぐなんだろうなぁ…)と、感じながら
「OK!エフハリスト!(ありがとう)」と、お礼をお伝えしました。

それから、太陽燦燦の道を歩きながら、次のタクシーを見つけようとしたけど、全く気配が無くて、、(涙)

荷物重いし、暑いし、分かれ道あるし、道間違えたら大変だし、、、
寝不足で、疲れてるし、道を聞いても英語が伝わらなかったり、、、
(初めてって、慣れるまでって、1人って、ホントに勇気がいるんだよ。。グスッ…)
と、今考えると、勝手に負の連鎖に陥っていました…(涙)

それでも、ちょっと木陰を見つけると、座って水を飲んだり、教会を見つけると心が落ち着いて、鳥と話して氣分転換をしました。

しかし、再び歩き出してもまだ先は見えずに、人も居ないし、もしかして道を間違えたのかと考えました。
暑さの中、10分は到底過ぎていました。

歩きながら
(軽やかに旅をするって意図したのに…)と、自分で自分に文句を言いました。

そして次の瞬間、私はハッと氣づきました。

(疲れで歩けない、暑くてできないと、私は頭で制限をかけている。
好きで行きたいのに…、行きたいと自分で決心したのに、、、)

この2ヶ月くらい、心で動こうと意図していました。カードを作って持ち歩いたり、頭で判断する習慣を手放して心を使って日々を創造しようと毎日心掛けていました。

頭(エゴ)は自分を小さく留めてしまう…

10年前に仲間と創った「ワケワケのうた」のPVの中には、アフガニスタンの空爆の瓦礫の前でカメラに笑顔を見せてくれる子ども達の姿(西谷文和さん撮影)があります。
私はこの子ども達のような、素直に心で動く、変化に対する受容と創造の姿を、第二の人生のお手本にしたいと誓っていました。
もちろん、大人になり、他者からの視線で仮の自己形成がされてから、そこに還るには意志の力が必要だけど、それは人間、自由意志で誰にでも出来る事。
人間は大いなる可能性を秘めた生命体。

そして私はもう一つ、オリンピック強化選手時代のある神秘体験を思い出しました。

合宿中の夜練…
あの日は通常2時間の夜練がそれをオーバーし、「一体いつまで通し(一曲全ての演技)を続けるの」と、心の中で叫んでいました。
食事制限もありながらの朝練、午前練、午後練、夜練との繰り返し。

コーチに「もう一本」と、言われると、どんなに完璧な通しをしたとしても、また意識を戻して完璧な演技をしなくてはならないのです。
新体操競技には技があって、難度が高い程、得点が高くなるので、正確性や技術力、集中力が必要になります。
一本一本に全身全霊で望んでいるので、夜の疲労はピークに達していました。
その後、絶対最後であろう完璧な通しをした後、コーチから
「もう一本」と、信じられない言葉が聞こえました。
私は耳を疑いました。
崩れそうになるのと同時に、あまりのショックで何かが動きました。

そして再び心を切り替え、フロアーに入り、音を待ち、動き出すと、身体の感覚が無くなっているんです!
あんなに疲労で重かった体が、軽くてフワリと浮いているようなんです!



私はスタジアムに向かう中で、あの不思議な体験を思い出していました。


それから私は、「自分はもう限界なんだ」と、思いたかった、制限を作っていた自分の心に氣づきました。

そしてその思い込みを外し、スイッチを切り替えました。

あわのうたを歌い、好きな事に向かえる喜びを受け入れました。
すると、身体も軽く、景色も変わり、人も優しく、あっという間にスタジアムに到着しました。

人間とは、意識の切り替えで自分を閉じ込めたり、無限に開いたり出来る面白い生命体なのだと、身を持って痛感しました。
そして、身体も自分をも超越することが出来る意識の存在。


スタジアムに着いた時は涙が滲んでいました。
オリンピックまでの長い道のり。
あの神秘体験を教えてくださったのも、コーチの母なる愛なのだと実感しています。
氣づかせてくださいましたギリシャの大地に、全てのお計らいに心より感謝申し上げます。


最後までお読みくださいました皆さま、ありがとうございました!
今日も、皆様の心の平安をお祈りしております。

2022.8.12

アムリタ 朝子

TRIP BLOG

"I want to feel the Earth with my barefeet when a certain time comes..." That is what I thought in 2015 when I first started going around the world to pray.
I became friends with beautiful land, and met people with heartwarming souls.
"We are all one", that is what I felt as we all danced, prayed, laughed together, and it has already been 23 countries.
I will keep traveling all over the world to give a prayer of gratitude.
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